第1回クロスカルチュラル・フォーラム

趣旨:「クロスカルチュラル(文化の交差)」という言葉が「国際交流」や「異文化適応」という言葉に替わって用いられるようになりました。この言葉は、主も従もなく、同じ立場で、国や文化や言葉の違いを深く理解し、それを尊重し合いながら、共に生きていこうということを意味します。このフォーラム(公開討論会)は様々な国の人の貴重な意見を生で聞き、話し合うことにより、互いの深い理解を目指そうという試みです。

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国際理解講座   「第1回 クロスカルチュラル・フォーラム」

~多文化共生を目指して~

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日時 平成17年年320 午後2時~430開場 午後1

場所 役場2階「精華町交流ホール」

参加者 31名


村川武雄(けいはんな文化学術協会理事)

「世界の中の私たち」

世界中に60億人以上の人が異なる国でそれぞれの国の文化・慣習を身につけて生活しています。各国の文化・慣習は季候、宗教などの影響を受けて大きく異なっています。人々は自分の住む国の文化慣習が他の社会でも同じであるように考えています。そして異なる文化・慣習に出会った時は驚き、異なる文化・慣習に対しては自分の国の文化・慣習を中心に比較して良し悪しで評価されることが多いのです。しかし、仕事で世界25カ国を訪れた経験からいうと、文化・慣習は相異しているだけであって良し悪しを論議する問題ではないといえましょう。異なる文化・慣習を相互理解し尊重することが共存において必要と考えられています。交通機関の発展した現在、文化・慣習の異なる世界中の多くの人々が広く交流できる時代となりました。しかし、文化・慣習の相異の理解不足から、摩擦が発生しています。文化慣習の相互理解と尊重は60億人の人々が共存して生活していくための基本といえるでしょう。

フランシスコ・ナバロ(インター・スペイン代表取締役)

「スペイン人から見た日本の文化・慣習」

20年にわたる日本企業勤務後、平成10年に有限会社を立ち上げ志摩スペイン村でのエンターテインメント業務を担当すると同時にスペイン語書籍専門店(東京)を設立・経営してきた経験から、日本・日本人について次のような感想を持ちました。

1.日本人はひかえめで、自分のことについて自慢話をあまりしません。謙遜の美徳を

持っています。

2.日本人はグループで行動し、マニュアルどおりに行動するようです。常に皆のことを考えて行動し目立つことは避けます。

3.日本人は約束の時間を守ります。行動なども正確であることを大事にします。

4.日本人は先のことを考えて、貯金をし、保険をかけます。

5.日本人は調和を重んじます。

 

シャフィ・ウッラ・ブイヤン(大阪大学大学院人間科学研究科 博士後期課程)

「バングラデシュに母子手帳を」

 今、発展途上国にとってどのような援助が最も必要とされているか、日本の経験がそれ

らの国々にどのように役に立つかが問われています。発展途上国にとって今、役立つのは

最新の近代的テクノロジーだけではなく、日本の古くからの知恵「母子手帳・かまど・草

履・交番…」などであることがわかってきました。私は母国バングラデシュの乳児死亡の

減少を願って日本に留学し、日本の母子手帳をバングラデシュに導入するという研究で大

阪大学人間科学研究科から博士号を得ることができました。(日本の大学の文科系で博士

号を取得するのは日本人にとっても非常に難しいことです。)これからもこの研究を続け

たいと考えています。そのためにも、もう少し日本語が上手になりたいです。